あいさつの本当の意味

Pocket

挨拶をしなさい、と親も教師もよく言いますが、
その意味までは教えてくれません。

私が小学生だった時に実際にあったことなのですが、
ある日担任の先生が挨拶の指導を行いました。

なんでも、
生徒が朝教室に入ってきた時に
みんなに挨拶をしていないのを問題に思ったようなのです。

ということでその日は全員廊下に出され、
一人ずつ挨拶をして教室に入るということをしました。

先生は、挨拶は社会に出たときに絶対必要なのです、
と言っていましたが、
私達生徒は、よく意味の分からないまま
その日は先生の言う通りにしました。

しかし、朝挨拶してから教室に入るという行為は習慣化することはなく
結局定着しませんでした。

確か、翌朝ですらちゃんと挨拶をして教室に入った人は少数派で、
しかも、「おはよう」と言っても
挨拶を返してくれるのは仲の良い友達だけで、
大半は顔をこちらに向けるだけか、反応がありませんでした。

そもそも朝は友達同士で喋っている人が多く、挨拶の声が通らないし、
お喋りに忙しくて挨拶など耳に入らないのです。

先生の言っていた、挨拶は将来必要になるという主張自体は間違いではないのですが、
その実施方法が良くありませんでした。

そもそもなぜ挨拶が重要なのか、ということについて
理解している人が少ないような気がします。

この前とある老科学者と話していたのですが、
最近の若いもんは挨拶が出来ないのか?
と聞かれました。

どうやら以前、自ら挨拶をしてこない学生に対して憤ったことがあったみたいなのです。

話を聞くと、
昔は年長者に対して挨拶をするのは当たり前で、自分もそうしてきた。
だから、若いもんに挨拶してもらえないことに強い違和感を覚えたとのことです。

そこで、まあ今は多様性の時代ですからねえ、と言いつつ、
その方に挨拶の意味について解説しました。

挨拶という行為は人と人とのコミュニケーションです。

ではその行為の中で、本当は何が起こっているかというと、
それは信頼関係の構築です。

信頼関係があると助け合いができるようになり、
一緒にいじめに立ち向かったり、他にも様々な協力行動がとれるため、
ひとりの時よりも高いパフォーマンスを出すことが出来ます。

信頼関係は普通、少しずつ時間をかけて積みあがっていきます。

信頼関係を築く方法の一つは、頼み事に応えることです。
相手の頼み事を聞いてあげれば、それは貸しになります。
相手は次の機会に、今度はあなたの頼み事を聞いて、借りを返します。

それが繰り返されれば、次第に負担の大きな頼み事もできるようになります。
なぜなら、今度は相手がその借りを返してくれるだろうと分かるからです。

逆に、最初の内は小さな頼み事しかできません。
なぜなら信頼関係が出来ていない内は、
頼み事に応えてもそれが返ってくるか分からないからです。

もし大きな貸しを相手に与えて返ってこなかったら大損するので、
最初はリスクを避けて、
相手が信頼できる人物かどうか確かめるために、小さな頼み事から始めます。

多くの人がこれを無意識に行っています。
その一つがあいさつです。

2人の人があいさつをする場合、
どちらかが先にあいさつします。
そしてそれに応えるようにもう一人があいさつを返します。

あいさつをすると相手に貸しを与えることになります。
なぜなら声をかけるという事は、
相手を尊重しているという意思表示になるからです。

さらにあいさつには隠れたメッセージがあります。
それは、
返事をしてほしい、ということです。
つまり頼み事をしているのです。

相手はそれに対してあいさつを返します。
これで相手の頼み事に応えたことになります。
また、先にあいさつをしてもらった借りを返したことにもなります。

これであいさつを通して信頼の交換が循環しました。
この循環が起こることで、次も与えたら返ってくると期待できるようになり、
信頼関係が築かれていきます。

別の言い方をすると、信頼残高がたまったことになります。

逆に、相手が先にあいさつをしてきてこちらが返事をしなかった場合、
相手はこちらのことを信頼できない人だと評価します。

あいさつですら返してくれない人が
もっと大きなことで返してくれるはずがないと思い、
相手はこちらの頼みを今後聞いてくれなくなっていきます。

また、どうせ返事がもらえないのなら先にあいさつするのはもったいないな
と思われてしまい、さらに信頼関係を築くチャンスを失ってしまいます。

今回の話で、日常的に行われているあいさつが
いかに重要なものか伝わったと思います。

中にはあいさつの事を軽視している人もいますが、
そういう人は知らず知らず大損しています。

あいさつは簡単にできて非常に効果的なので、
いじめ解決の指導をする際はいつもあいさつをするように言っています。

みなさんも意識してみてくださいね。

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。